やり直しのきかない遺産分割（協議書に署名してしまった）

一度まとまった遺産分割協議をやり直すことは難しい

遺産分割の内容に納得していないまま署名、捺印をすることは絶対にしてはいけません。

相続人を亡くした悲しみの中、他の相続人に頼まれたからと冷静な判断に欠けた状態で内容を確認せずに押印してしまい、のちに後悔するという方は少なくありません。
また、遺産分割協議に割く時間が煩わしく、希望通りではなかったが署名、押印してしまい後悔している、他の相続人に脅され署名、押印したというケースも見られますが、いかなるケースにおいても納得できない状態で署名捺印をすることは後のトラブルに発展しかねませんので絶対にしてはいけません。原則、署名・捺印をしてしまった遺産分割協議書を取消すことは出来ません。

相続人全員が内容について同意したと証明をするのが遺産分割協議書です。相続財産の名義変更などを行う際には、全員が納得して作成されたものとしてこの遺産分割協議書を使用します。

原則やり直しのきかない遺産分割協議ですが、下記のようなケースにおいては、例外として遺産分割協議書を無効にし、協議をやり直すことができます。

 

遺産分割協議書が無効となるケース

• 遺産分割協議書に、相続人全員分の署名と捺印がなかった
• 相続人全員が遺産分割協議に参加していなかった
• 故意に隠されていた財産があった
• 遺産分割協議後に別の相続財産が見つかった 
• 遺産分割協議のやり直しに全員が同意した　
• 遺産分割協議書に署名・捺印する際、脅迫・詐欺があった等

 

いくら遺産分割協議をやり直すことができるといっても、再び相続人を集めて協議や書類作成をするには多大な時間や手間がかかりますので、納得のいかない遺産分割協議書にはそもそも署名や捺印をしないようにしましょう。